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2007年8月12日 (日)

コラム、『07/08シーズンの展望』

Premier_logo0708  U20W杯やコパ・アメリカとオフシーズンもフットボールの話題は尽きなかったこの夏。プレミアリーグも例外ではなく、連日に渡る報道にフットボールファンは一喜一憂した。アンリ(フランス代表FW=29)との別れに多くのファンが悲しみ、F・トーレス(スペイン代表FW=23)との出会いに大きな期待を感じ、また8人目の外国人オーナーが誕生したことにも注目が集まった。
 いろいろなことがあったオフシーズンだったが、今回は新シーズンの展望を考えてみた。

■覇権争いの行方
 昨季リーグ終盤まで優勝争いを演じたM・ユナイテッドとチェルシーが他チームより抜け出している感は変わらない。この夏に両チームが獲得した新戦力の顔ぶれを見ても、両チームの監督色が見てとれる補強だった。リーグ一の攻撃力にさらに磨きをかけたM・ユナイテッドに対し、チェルシーはアフリカネーションズ・カップの開催における、主力の離脱を念頭においた堅実な補強に終始した。しかしチェルシーが万能守備型のベン・ハイム(イスラエル代表DF=25)を獲得し、またG・ジョンソン(イングランド代表DF=23)を復帰させるなど守備のバックアッパーを補強したのに対し、M・ユナイテッドが守備的な補強としてハーグリーブス(イングランド代表MF=26)しか獲得していない点は気がかりだ。確かにM・ユナイテッドの予定していた通りの補強ではあったが、昨季の終盤戦は両チーム共に怪我人に苦しみ、特にCBのポジションには相当な苦労をした。強豪チーム故の過密日程がさらに輪をかけ、長いシーズンを戦う為のバックアッパーの存在がいかに重要かを感じたはずなのである。
 チェルシーはベン・ハイムの補強によりCBのバックアッパーは万全と思え、昨季急造CBを経験したエッシェン(ガーナ代表MF=24)がいることも強みである。逆にM・ユナイテッドのDFは昨季と変わらない顔ぶれで、R・ファーディナンド(イングランド代表DF=28)とヴィディッチ(セルビア代表DF=25)を欠くとレベルダウンの感もある。つまりレギュラーとバックアッパーに実力差があることが不安材料であり、さらにエインセ(アルゼンチン代表DF=29)の去就も未だ曖昧のままである。彼の動向次第では左SBのバックアッパーにも不安が出てくることも考えられるのではないだろうか。
 両チームは攻守共に豊富な選手層を誇っているが、両チームのDFのバックアッパーの精度という点ではチェルシーに軍配が上がる。そしてこの点が長いシーズンを戦う上で、明暗を分けることにもなるかもしれない。

■レッズの悲願は
 ベニテス(スペイン=47)が就任してから初めて無冠に終わった06/07シーズン。FWの補強をこの夏の課題に挙げていたリバプールは、リーガ・エスパニョーラから若きストライカー、F・トーレスの獲得を発表した。スペインのA・マドリードでストライカーとして活躍した同選手はスペイン代表でもあり、昨年のW杯での活躍も記憶に新しい。プレミアリーグのスタイルに合うかどうかという不安はあるが、そのポテンシャルの高さには大きな期待と可能性を感じることができる。
 この他にもヴォロニン(ウクライナ代表FW=28)やベナユン(イスラエル代表MF=27)、U21欧州選手権で活躍したR・バベル(オランダ代表FW=20)など、この夏のリバプールの補強は即戦力になり得る攻撃的な選手が目立っていた。この背景には06/07シーズンの無得点試合数が14試合もあったことも考えられるが、18シーズンぶりのリーグ制覇に向けた新オーナーとベニテスの強い姿勢が伺える。そして大幅な戦力アップはチームとサポーターにも大きな自信を与えていた。
 新シーズンの彼らが優勝争いに加わるかは、もはや彼ら次第だ。これまでのような上位2チームとの戦力差はなく、苦手としているアウェーやビッグ4同士による直接対決の成績を克服するためのより強いメンタリティーが求められる。つまり彼ら自身がプレッシャーに打ち勝つことができるかどうかが、彼らが優勝争いに加わる鍵となるのだ。鳴り物入りしたF・トーレスの活躍に注目が集まるが、昨季のシェフチェンコ(ウクライナ代表FW=30)の例があるように、彼が必ず活躍するという保証はどこにもない。それでも昨季のチェルシーが大崩れしなかった理由は、チームのメンタリティーという部分が成熟していたからなのである。
 表面上の課題であった得点能力の高いFWは獲得できた。後は内面上のメンタリティーを克服できるかどうかで悲願のリーグ制覇が見えてくる。

■トップ4争い
 アンリ、リュングベリ(スウェーデン代表MF=30)の移籍やヴェンゲル(フランス=57)の再契約問題と、このオフの話題の中心でもあったアーセナル。D・ディーン氏のアーセナル退団による影響はやはり大きく、いくら若手が台頭しているとは言え、新シーズンは最後まで息が続くか怪しいものである。そんなアーセナルに変わってトップ4争いに加わってきそうなのがトットナムだ。
 昨季はリーグとUEFAカップを両立して過ごしたシーズンの中で、2季続けてリーグ戦の勝ち点を60台にのせる安定感を見せた。D・ベント(イングランド代表FW=23)の獲得で、昨季のリーグ戦で2桁得点を上げた選手が4人もいるFW陣の充実ぶりはリーグ屈指でもある。課題であった守備にも補強を加えた新シーズンは、宿敵アーセナルからC/L出場権を奪うことも予想できる。両チームが高いモチーベーションで望むであろうノースロンドン・ダービーは、新シーズンの見所に間違いない。
 この他にアラダイス(イングランド=52)が就任したニューカッスルも面白い存在だと思える。昨シーズン、ミドルスブラで14得点を挙げたヴィドゥカ(オーストラリア代表=31)とM・ユナイテッドからA・スミス(イングランド代表=26)を加えた前線は魅力的なメンバーが顔を揃える。さらに喧嘩屋バートン(イングランド代表=24)の存在も面白い。しかし昨シーズンを引きずるかのように、現時点で既に怪我人が出ていることやアラダイスの戦術が浸透するかという点で不安要素もある。ポテンシャルは非常に高いチームなので、早い段階でベストメンバーを固定し、戦術の変更によるチームの理解度を上げることがトップ4争いに加わる条件でもある。

■新監督
 新シーズンは4人の新監督が誕生した。中でもリーグ8人目の外国人オーナー要するM・シティの監督に就任した、G・エリクソン(スウェーデン=59)に注目したい。新オーナーの巨額な資金を、元イングランド代表監督でも知られるエリクソンの豊富な人脈がどう活かすのか見物である。昨季、僅か29得点に終わった攻撃陣にビアンキ(イタリアFW=24)を加え、M・ペトロフ(ブルガリア代表MF=28)やジオバンニ(元ブラジル代表MF=27)ら、攻撃的な選手の補強による得点力の改善は期待が持てる。しかしDF陣の補強は遅れていると思え、今後も続くと思われる積極的な補強が新シーズンのチームの鍵を握る。
 この他に北アイルランド監督を辞任してフルアムの監督に就任したサンチェス(イングランド=47)、コーチからウィガンの監督に昇格したハチングス(イングランド=50)がそれぞれいる。両チーム共に昨季は降格争いに名を連ねただけに、チームの巻き返しを計る必要を迫られている。

■個人的感想
 既に絞られている感のある優勝争いよりも、C/L出場権のかかる4位争いに注目している。この夏のアーセナルのお家騒動によってプレミアリーグの勢力図は変わるかもしれないからだ。このチャンスを中堅クラブが活かせるかどうかで、新シーズンは大きな盛り上がりを見せるのではないだろうか。
 ビッグ4の牙城を崩すのが難しいの理由の1つには、より優れた個の存在がある。戦術も大事な部分ではあるが、ビッグ4のような代表選手がずらりと並ぶ顔ぶれが相手では、個の力の差が勝敗を分けてしまう。それはフットボールの差ではなく、より優れた個人の力に見てとれるのだ。しかも難しいプレイではなく、ドリブルやシュートといった単純なことほどその差は表れている。ドリブルで言えばスピードや技術であり、シュートで言うならば決定力の差だ。トップ4の牙城を崩すチャンスは、チームとしての成熟は大前提で、その中でもより個人の力が優れているチームに限られるのではないだろうか。
 話は変わるが、日本のプレミアファンにとって最大の関心ごとであったプレミアリーグの開幕戦の放送が見送られた・・・。問題はあまりにも高額な放映権にある。愚痴になってしまうが、文章と写真だけでは分からないのがフットボールであり、ダイジェストだけを見ても消化不良なのだ。
 ようやくフットボールも日本に定着されつつある今日。早期の放送を祈って、新たなシーズンの幕開けに注目したい。

 Written by MA-

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